ハングルの詩のある風景

수아 樹芽(木の芽) 第6回

歌樽先生:なるほど。なかなかいい提案ですね。では、「旧鯉」と「新鯉」の違いを参考に、「旧樹芽」と「新樹芽」の違いを考えてみましょう。

詩子アナ:「旧樹芽」と「新樹芽」の違いをすぐ見つけるのは難しいので、「旧鯉」と「新鯉」との違いを参考にして考えてみようということですか。

歌樽先生:そうですね。そういう方向で見て行きましょう。

第7問:「旧鯉」と「新鯉」のそれぞれで使われている語彙を比較して、違いを指摘しましょう。

詩子アナ:ただ、比較するだけではだめなようですね。詩的にもするひつようがあるようですね。

歌樽先生:方針が立ったようですね。安心しました。

詩子アナ:はい、やってみます。

旧鯉              新鯉

甍(いらか)の波と雲の波、・・・・屋根より

重なる波の中空(なかぞら)を、・・高い

橘(たちばな)かおる朝風に、  (該当なし)

高く泳ぐや、鯉のぼり。・・・・・・こいのぼり

(該当なし)        おおきいまごいは おとうさん

(該当なし)        ちいさいひごいは こどもたち♪

(該当なし)        おもしろそうに およいでる ♪

歌樽先生:なるほど、こういう比較から分かったことは?

詩子アナ:鯉のぼりそのもの描写か、家族と見立てる心持ちかという違いです。

第7問:「旧鯉」では鯉のぼりが空高く泳いでいるという個の描写が中心で、「新鯉」ではこいのぼりを家族と見立てて歌っている心が中心となっています。

歌樽先生:なるほど、するどい指摘になりましたね。「旧鯉」での最後の鯉のぼりが個であるという証拠はあるのですか。

詩子アナ:「旧鯉」の歌詩をスマホで確かめてみたのですが、3番の歌詞で龍になる男子といった内容が歌われていますから、家族ではなく男の子の描写かなと思いました。

歌樽先生:詩子さんの説には鯉の滝のぼりのような勢いが付きましたね。ほぼ竜のようですね。

詩子アナ:お褒めのお言葉、ありがとうございます。竜頭蛇尾にならないようにいたします。

「樹芽」は短い詩ですが、他にも短い詩があるのですか。

歌樽先生:かなりの数になりますね。詩集『진달래꽃』の中にも5行以内の詩が20数首ありますから。いろいろな試みをしているところが、光っていますね。

詩子アナ:光っているんですか。

歌樽先生:昼には星がみえないように、光っていてもなかなか気付かないんですよ。素月自身がこのようなことを言っていますね。

詩子アナ:素月の言葉ですか。心の目を開くのが大切なんですね。

歌樽先生:どんどん詩人の気持ちに近づいているようですね。

詩子アナ:お褒めに与って恐縮です。

歌樽先生:では、この調子で「旧樹芽」と「新樹芽」を比べてみましょう。

第8問:「旧樹芽」と「新樹芽」を比較して、違いを指摘しましょう。

詩子アナ:はい、やってみます。

旧樹芽             新樹芽

웬만한 설은봄은 아니여!      설다해도

                웬만한,

                봄이안이어,

나무가지 가지마다 눈을텃서라,   나무도 가지마다 눈을터서라!

내가슴에도 봄이와서       (該当なし)

지금 눈을 트랴고하여라.     (該当なし)

歌樽先生:これで何かわかりましたか。

詩子アナ:すごいことが分かりました。

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